香典返しについて、「いつまでに、いくらぐらいの品物を贈ればよいのだろう」とお悩みではありませんか?
北海道には「即返し」の慣習があるため、後日あらためて贈るべきか判断に迷う方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、仏式では、香典返しは忌明けとなる四十九日を迎えてから1ヶ月以内に、いただいた香典の半額〜3分の1程度の品物を贈るのが基本です。
本記事では、時期・金額相場・品物や購入先の選び方に加え、北海道の「即返し」だけでよいかの判断基準までを解説します。
最後まで読めば、忌明けまでに落ち着いて準備を進められるでしょう。迷ったときは、弘善社への事前相談もご活用ください。
目次
香典返しとは?

香典返しとは、通夜や葬儀でいただいた香典へのお礼として贈る品物のことです。贈る時期と金額の目安は下記を参考にしてください。
▼香典返しの基本的な目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 贈る時期 | 忌明け(四十九日)から1ヶ月以内 |
| 金額 | いただいた香典の半額〜3分の1程度 |
- ・贈る時期の目安(忌明けから1ヶ月以内)
- ・金額の目安(半返し・3分の1返し)
ひとつずつ解説します。
贈る時期の目安(忌明け・四十九日から1ヶ月以内)
一般的には、忌明け(四十九日)から1ヶ月以内に贈るのが目安です。香典返しには、無事に忌明けを迎えたことを報告する意味合いも込められているためです。四十九日法要を終えたあと、挨拶状を添えて品物を発送するケースも多く見られます。
最近では、葬儀当日に返礼品を渡す「即日返し」を選ぶ方も増えているため、くわしいタイミングの選び方は次の章で見ていきましょう。
| 【関連記事】 四十九日法要の準備リスト!法事・法要の費用や服装と持ち物のマナー |
金額の目安(半返し・3分の1返し)
金額の目安は、いただいた香典の半額から3分の1程度となります。香典返しは「お返し」であるため、いただいた金額を上回らないようにする配慮が大切です。
▼香典返しの金額の目安
| いただいた香典の金額 | 香典返しの目安 |
|---|---|
| 5,000円 | 2,500円前後 |
| 1万円 | 3,000〜5,000円程度 |
| 3万円 | 1万〜1.5万円程度 |
くわしい考え方や高額な香典への対応は、後ほど「香典返しの金額相場」の章で詳しく解説します。
香典返しを贈るタイミング(即日返しと後返しの違い)
香典返しには、葬儀当日に贈る「即日返し」と、忌明け後に贈る「後返し」の2つの方法があります。
- ・即日返し(当日返し)とは
- ・後返しとは・手配が遅れた場合の対応
- ・宗教による忌明け時期の違い(仏式・神道・キリスト教式)
ひとつずつ解説します。
即日返し(当日返し)とは
即日返しとは、葬儀や通夜の当日に、参列者へ一律の返礼品を渡す方法です。忌明け後に改めて手配する手間を省け、参列者の住所を把握していなくても対応できるため、広く選ばれるようになりました。
2,000〜3,000円程度の品物を、香典の金額にかかわらず一律で渡すケースが主流ですが、高額な香典をいただいた場合は、後日あらためて返礼品を贈る場合があります。北海道ではこの即日返しが特に広く定着しており、くわしい背景は後ほどくわしく解説します。
後返しとは・手配が遅れた場合の対応
後返しとは、即日返しを行わず、忌明け後に香典額に応じた品物を贈る方法です。品物選びに時間をかけられるため、いただいた金額に見合った丁寧な返礼がしやすいのが特徴です。
宗教による忌明け時期の違い(仏式・神道・キリスト教式)
忌明けにあたる時期は宗教によって異なるため、香典返しを贈るタイミングも変わります。
▼宗教別の忌明けの目安
| 宗教 | 忌明けの目安 |
|---|---|
| 仏式 | 四十九日(命日を1日目として49日目) |
| 神道 | 五十日祭 (命日を1日目として50日目) |
| キリスト教式(カトリック) | 追悼ミサ(命日を1日目として30日目) |
| キリスト教式(プロテスタント) | 召天記念日(命日から約1ヶ月後) |
| 【関連記事】 四十九日を過ぎたらやること7つ!四十九日以降の知識とマナーを解説 神道の葬儀「神葬祭」とは?仏教との違いと知るべき2つの作法マナー |
北海道では「即日返し」が一般的
北海道では、葬儀当日に一律の返礼品を渡す「即日返し」の慣習が広く根付いています。
- ・北海道で即日返しが広まった背景
- ・即日返しのみでよいか、後日改めて贈るべきかの判断基準
ひとつずつ解説します。
北海道で即日返しが広まった背景
北海道では、葬儀当日に1,000〜1,500円程度の返礼品を渡す「即日返し」で香典返しを完結させるのが一般的です。「困った時はお互い様」という相互扶助の考え方が根付いているため、香典返しにあてる予算を低くすることで香典を葬儀代の支払いに回し、助け合う風習があるとされています。
この慣習を知らず、後日あらためて準備すると、二重にお返しをすることになるため注意しておきましょう。
即日返しのみでよいか、後日改めて贈るべきかの判断基準
香典の金額が即日返しの品物の金額を大きく上回る場合は、後日改めて差額分を贈るのが望ましいです。即日返しはあくまで一律の返礼であり、高額な香典に対しては、半返し・3分の1返しの目安に照らすと返礼額が不足するためです。
たとえば、即日返しで1,500円相当を渡した相手から3万円の香典をいただいた場合は、忌明け後にあらためて品物を贈ります。
ただし、親族間の慣習や家族の意向によって対応が異なるため、判断に迷ったときは家族や地域の葬儀社に確認しておくと安心です。
香典返しの金額相場
香典返しの金額は、香典の額や相手との関係によって次のように変わります。
▼香典返しの金額相場の目安
| ケース | 目安 |
|---|---|
| 一般的な金額(1万円前後まで) | 半返し(5,000円前後まで) |
| 高額な香典(10万円超) | 3分の1〜4分の1程度 |
| 親族・身内からの香典 | 相場にこだわりすぎず柔軟に対応 |
- ・半返し・3分の1返しの考え方
- ・高額な香典をいただいた場合の対応
- ・親族・身内からの香典の場合の金額
ひとつずつ解説します。
半返し・3分の1返しの考え方
一般的な香典の金額には半返し、高額な香典には3分の1返しを目安にすることが多い傾向にあります。高額な香典に対して半返しをすると、贈る側の負担が大きくなりすぎるためです。
たとえば、1万円の香典には5,000円前後、5万円の香典には1.5万〜2万円程度を目安にします。地域や家族の慣習によって割合が異なる場合もあるため、迷ったときは家族に確認しておくと安心です。
高額な香典をいただいた場合の対応
10万円を超えるような高額な香典には、金額の3分の1〜4分の1程度を目安に品物を選んでもよいでしょう。高額な香典には、遺族の葬儀費用を助ける意図が込められている場合が多く、必ずしも半返しにこだわる必要はないためです。
会社の役員や親族の代表者から高額な香典をいただいた場合は、カタログギフトなど相手が選べる品物にすると喜ばれます。迷う場合は無理に高額な品物を用意せず、丁寧な挨拶状で気持ちを伝える方法もあります。
親族・身内からの香典の場合の金額
親族や身内からの香典に対しても香典返しをするのが基本ですが、関係性の近さに応じて金額や品物を柔軟に調整してかまいません。
親しい間柄であっても、香典返しを通じて感謝の気持ちを伝えることは大切です。一方、相場にこだわりすぎず柔軟に対応するケースもあるため、迷った場合は親族間で話し合うとよいでしょう。
兄弟姉妹からの香典には、形式的な品物を贈るか、家族間の慣習に合わせて金額を調整するケースがあります。家族・親族内のルールが優先されるため、判断に迷う場合は年長者や家族に確認しておくと安心です。
香典返しの品物の選び方と購入先

香典返しに贈る品物は、次のポイントを押さえて選びます。
- ・定番の品物(消えもの・カタログギフトなど)
- ・避けるべきタブーな品物
- ・どこで購入すればよいか
ひとつずつ解説します。
定番の品物(消えもの・カタログギフトなど)
香典返しは「不祝儀を後に残さない」という考え方から、消費できる品物が好まれてきました。そのため、緑茶の詰め合わせ、焼き菓子、タオル、カタログギフトなどがよく選ばれています。
近年は、相手の好みが分からない場合にカタログギフトを選ぶ傾向が強まっています。
避けるべきタブーな品物
肉・魚などの生もの、慶事を連想させる品物は避けるのが基本です。香典返しは弔事であり、慶事を連想させる品物や、四つ足生臭ものと呼ばれる肉・魚は宗教的な考え方からふさわしくないとされています。
たとえば、鰹節・昆布の詰め合わせ、生鮮食品、現金などは選びません。迷った場合は、消えものやカタログギフトを選べば失敗しにくいでしょう。
どこで購入すればよいか
香典返しは、葬儀社・百貨店・専門のギフトショップ・インターネット通販のいずれでも手配できます。
葬儀の打ち合わせと同時に葬儀社へ依頼すると、初めての手配でもスムーズに行うことができるだけでなく、改めて別の窓口に注文する手間も省けます。
香典返しについてわからないことがある方は、弘善社の葬儀相談をご利用ください。
掛け紙(のし)・挨拶状のマナー
香典返しの掛け紙と挨拶状には、それぞれ次のようなマナーがあります。
- ・掛け紙(のし)の書き方
- ・挨拶状の文例・添え方
ひとつずつ解説します。
掛け紙(のし)の書き方
掛け紙の表書きは「志」とし、水引は黒白の結び切りを用いるのが一般的です。結び切りには「不幸を繰り返さない」という意味が込められており、弔事にふさわしい水引とされているためです。
ただし、関西を中心に、北陸や山陰の一部地域でも「満中陰志」という表書きが使われ、水引も黄白が主流になります。
挨拶状の文例・添え方
挨拶状には下記を簡潔にまとめます。
- ・香典への感謝
- ・忌明けの法要を終えた報告
- ・品物を贈る旨の説明
- ・略儀へのお詫び
具体的には、頭語(謹啓・拝啓など)から始め、感謝の言葉、忌明けの法要を終えた報告、心ばかりの品を贈る旨の説明、略儀ながらのお礼という順でまとめ、結語で締めます。
このとき句読点は使わず「、」の代わりに一文字空け、「。」の代わりに改行を用いるのが慣例とされています。また、「重ね重ね」「ますます」などの重ね言葉や、「死ぬ」「逝去(身内には使わない)」といった表現も避けましょう。
故人との続柄や贈る相手に合わせて文面を調整すると、より丁寧な印象になるでしょう。
香典返しの特殊なケースへの対応
定番のケース以外にも、対応に迷いやすい状況があります。
- ・会社・連名でいただいた場合
- ・香典返しを辞退された場合
ひとつずつ解説します。
会社・連名でいただいた場合
会社名義の香典は、お返しが不要とされるケースが多い傾向にあります。会社名義の香典は福利厚生費など会社の経費から出ているケースが多く、個人からの厚意とは性質が異なるためです。
ただし、同僚などの連名でいただいた場合は、一人あたりの金額に応じて個包装の品物で対応するのが基本です。
たとえば、会社名義の香典には返礼を控え、同僚数名の連名でいただいた香典には、部署宛てに個包装のお菓子の詰め合わせを1つ贈ります。連名でも一人ひとりの金額が把握できる場合は、個別にお返しをすると丁寧な印象を与えられます。
香典返しを辞退された場合
香典袋や会葬御礼の案内に香典返しを辞退する旨が明記されていた場合は、相手の意向を尊重して品物を贈らなくてよいでしょう。
辞退の申し出は「遺族の負担を減らしたい」という相手の配慮であり、それに応えることが礼を尽くすことになるためです。
辞退の申し出があった場合は、品物の代わりに忌明けの報告を兼ねた挨拶状のみを送りましょう。
香典返しの地域による違い
香典返しの相場やタイミングは、地域によって次のような違いがあります。
- ・北海道
- ・東北
- ・関東
- ・東京
- ・関西
- ・九州
ひとつずつ解説します。
北海道
北海道は、葬儀当日に返礼品を渡す「即返し」が主流の地域です。
▼北海道の香典返しの目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額相場 | 即返し1,000〜1,500円程度(高額な香典には後日3分の1〜半額程度を追加) |
| 即返し・後返し | 即返しが主流 |
| 特徴 | 相互扶助の精神が残る地域性から、葬儀当日に一律の返礼品で済ませる慣習が根付いている |
くわしい判断基準は、前の「北海道の『即返し』の慣習と自分の場合の判断基準」でご紹介したとおりです。
東北
東北は、地域による習慣の差が大きく、一律の相場を示しにくい地域です。
▼東北の香典返しの目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額相場 | 地域や家庭による差が大きく、一概には言えない |
| 即返し・後返し | 当日の会葬御礼品のみで済ませる地域や、香典返し自体を行わない地域もある |
| 特徴 | 地域による習慣差が大きい |
ご自身の地域の慣習が分からない場合は、親族や地域の年長者に確認しておくと安心です。
関東
関東は、即返しが一般的な地域です。
▼関東の香典返しの目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額相場 | 即返し2,000〜3,000円程度、高額な香典には後日半返し |
| 即返し・後返し | 即返しが一般的 |
| 特徴 | 表書きは「志」、水引は黒白が標準 |
関東の中でも地域差があるため、あくまで一般的な傾向として参考にしてください。
東京
東京は、全国的に見ても香典の金額が高くなりやすい傾向がある地域です。
▼東京の香典返しの目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額相場 | 半返しが基本で、他地域より高額になりやすい傾向 |
| 即返し・後返し | 地域特有の決まりは目立たず、一般的なマナーに沿えばよい |
| 特徴 | 全国から人が集まる土地柄で、一般的な香典返しのマナーがそのまま通用しやすい |
迷ったときは、この記事でご紹介している一般的な目安を参考にしつつ、必要に応じて親族や葬儀社に確認すると安心です。
関西
関西は、伝統的に「3分の1返し」が目安とされてきた地域です。
▼関西の香典返しの目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額相場 | 3分の1返しが伝統的(近年は半返しも増加) |
| 即返し・後返し | 忌明け後に贈る後返しが基本 |
| 特徴 | 表書きは「満中陰志」、水引は黄白の結び切り |
表書きや水引の色は、掛け紙のマナーの章でご紹介した内容とあわせて確認しておきましょう。
九州
九州では、半額〜3分の1程度を目安とする地域があります。
▼九州の香典返しの目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額相場 | 半額〜3分の1返しが目安 |
| 即返し・後返し | 地域や家庭による差が大きく、一概には言えない |
| 特徴 | 瀬戸内海周辺地域では表書きを「茶の子」とすることがある |
判断に迷う場合は、地域の慣習に詳しい親族や葬儀社に相談すると安心です。
香典返しに関するよくある質問
ここでは、香典返しについて、よく寄せられる疑問にお答えします。
Q1. 香典返しが不要なケースはある?
香典返しを用意しなくてもよいケースとして代表的なのは、香典をいただいた相手から辞退の申し出があった場合です。香典袋の中袋や一筆箋に辞退の旨が記されていたり、受付で直接申し出を受けたりした場合は、相手の意向を尊重し、香典返しを贈らなくても差し支えありません。
香典返しを辞退された方には無理に品物を贈らず、感謝の気持ちを込めて挨拶状のみを送りましょう。
Q2. カタログギフトを贈るのは失礼にあたらない?
カタログギフトは、香典返しの品物として広く受け入れられており、失礼にはあたりません。香典返しは相手の好みが分からないケースが多く、受け取った側が自由に商品を選べる実用性の高さから定着しています。
特に、親族や会社関係者、友人など、相手との関係性や好みを把握しきれない場合に選ばれることが多く、金額に応じたコースを選べるのもメリットのひとつです。ただし、目上の方や高齢の方の中には「味気ない」と感じる方もいるため、相手に応じて品物とカタログギフトを使い分けると安心です。
Q3. 香典返しを辞退したいときはどう伝えればいい?
香典返しを辞退したいときは、香典を渡す際に一言添えるか、香典袋の中袋や一筆箋にその旨を明記するとよいでしょう。遺族は基本的に香典をいただいた相手全員に香典返しを用意するため、辞退の意思は明確に伝えて問題ありません。
たとえば、香典を渡す際に「お香典返しはご辞退申し上げます」と一言添える方法や、香典袋に「お返しは辞退させていただきます」と書いた付箋を添える方法があります。遺族側が辞退の意向を見落とす可能性もあるため、口頭だけでなく書面でも伝えておくとよいでしょう。
忌明けまでに落ち着いて香典返しを手配するために
香典返しは、忌明け(四十九日)から1ヶ月以内に、いただいた香典の半額から3分の1程度の品物を贈るのが目安です。
ただし、北海道では葬儀当日に返礼品を渡す「即返し」の慣習が広く根付いています。このように、地域や家庭の慣習によって対応が異なる点には注意が必要です。
ご自身の対応に迷いが残る場合は、弘善社への事前相談で香典返しを含めた葬儀後の対応についてご相談いただくこともできますので、お気軽にお問い合わせください。
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