終活のこと
おひとりさまの終活❶〜あなたの面倒はどなたがみてくれますか?
こんにちは。
終活応援葬儀社の弘善社 代表取締役の太田弘文です。
今回は「おひとりさまの終活」について書いてみようと思います。
なぜ「おひとりさまの終活」なのか。
それは今やおひとりさまは特別なものではないと同時に、おひとりさまには「おひとりさまの終活」が必要だと思うからなんです。
また、おひとりさまは、決して「天涯孤独の人」を指す訳ではありません。
おひとりさまとは、自分の在り方、生き方、あるいは置かれている生活環境がそうである、というのが適切であるかもしれません。
おひとりさまの現状
「おひとりさま」と聞いて、どんなイメージを持たれるでしょうか?
おひとりさまとは上記の通り、「天涯孤独の人」を意味していません。実際に天涯孤独(この世に身寄りがいない人)は、独居者の1~2%だと言われています。では、どんな方がおひとりさまなのでしょうか?
・死んだ後のことをやってくれる人がいない人
・身元保証をしてくれる人がいない人
・自分で身の周りのことができなくなった時に支援してくれる人がいない人
という方々なのかな、と思います。
特に、逝去後のこと、例えば葬儀、遺品整理、相続、車や不動産の名義変更、ペットの世話、web上の情報を情報の消去をしてくれる人がいない人は「おひとりさま」と言えるのではないでしょうか。
おひとりさまと社会
昭和の時代は結婚をするのが当たり前、子供をもうけるのが当たり前、という時代でしたが、今や結婚しない、子供をもうけないという生き方が認知されております。しかし、おひとりさま高齢者を支えるご家族や社会も、大きな岐路に立たされているのではないでしょうか。
親が逝去された後に残された未婚の兄弟がいた場合、高齢の兄弟を高齢の兄弟が支える構造があるのです。いずれ共倒れになる恐れもあります。
もし結婚をしていれば、夫婦で支えあったり子供たちを頼ることができますが、未婚のまま高齢になってしまった人たちの中には、経済的にも人間関係的にも苦しい思いをする人が少なくないように思います。
親と同居し、親の年金や自分自身の収入で生活できるうちは大きな問題にはなりませんが、親が死亡して年金が打ち切られると、高齢の「子供たち」は直ちに生活苦に陥ります。
自身が病気や怪我などをした場合、誰が看護を行うのか、生活費の支払いはどこから支出するのかということを考えておかなければならないと思いますし、いずれ高齢になれば働く機会も限定され、収入も減少してくるのですから、老後の蓄えや年金、保険等の備えも若いうちから準備が必要かと思います。
また、将来的に認知症や障害を抱えて金銭の管理をできなくなった場合に、誰に管理を任せるかということも事前に考慮しておかなければならず、任意後見契約などの法的制度、あるいは死後事務委任契約も検討する場合があるでしょう。
特に預貯金の引き出しや入院・手術の同意、介護施設の入所の際の身元保証人などは、友人や知人に気軽に頼めるものではないですよね。
多くの「おひとりさま予備軍」は「なんとかなるかも」と楽観的に考えがちですが、そうともいかず、晩年に貧困や親族からの疎外感を感じたりと、辛い思いをするかもしれません。
もちろん、上記のことは既婚者でも考えなければならないことです。
配偶者と離別または死別する可能性もあるでしょうし、子供がいても遠方で頼れないこともあるかもしれません。また子供に親を支える資力がないことも考えられるでしょう。
したがって、未婚者はもちろん、既婚者も将来の人生設計を考えことができるうちに、つまり今すぐにでも行うべきだと思うのです。
「生前」の問題点
おひとりさまが一人で生活できうるには、次の「4つの自立」ができていることが前提だと思います。
①身体的自立:日常生活に支障のない足腰がある。(足腰が大丈夫)
②経済的自立:毎月の収支を認識している。(金銭的に大丈夫)
③生活的自立:掃除や洗濯、料理が自分で出来る。(お片付けが大丈夫)
④精神的自立:自分で判断し、自分で行動できる。(考えることが大丈夫)
上記のこと…
普段は何気なく、不自由なくされていることだと思います。
でも、いざ病気や怪我をした時って、やはり一人では不自由なことってありますよね。
上記の「4つの自立」ができなくなった場合、どうしますか?自分一人でできない場合、誰にお願いしますか?
さて、今回は主に問題点を解説してみました。
長くなってしまったので、次回はおひとりさまの「生前の問題点」と「死後の問題点」について、もう少し詳しくお話ししてみようと思います。