トップページ
お葬式のこと

香典の書き方や金額と4つの注意点!入れ方や渡し方のマナーまで解説

葬儀へ参列する際は受付で香典を渡して記帳をしますが、知識不足によって恥ずかしい思いをするのは避けたいものです。

香典には相場金額があるほか、書き方やお金の入れ方にはルールがあり、渡し方に至るまで気をつけるべきマナーがあります。

そこで、誰でも簡単に分かるように香典に関する疑問を図解付きで解説し、間違えやすい注意点や香典でよくある質問についてもご紹介しますので、どうぞ参考になさってください。

香典とは?

葬儀で香典を渡すのには「葬儀代の足しにしてください」という意味合いがあり、人が亡くなったときにお金を渡すのは日本特有の風習です。

そもそも『香典』という漢字は正式には『香奠』と書き、故人に捧げるお線香やお花の品代として用途してもらうお金という意味を表します。

「香」はお焼香やお線香に由来があり、「奠」は神仏へのお供えを意味するため、仏教の葬儀や供養の儀式では次のような理由で香を手向けます。

  • ・死者は香りを食べると考えられている
  • ・香の煙が極楽浄土への道しるべになる
  • ・煙によって故人と心を通わすことができる
  • ・空気の浄化と癒しの効果がある

香典袋の選び方

香典袋の種類

香典袋は包む香典金額と香典を渡す相手の宗教によって異なるため、ポイントを押さえて解説します。

香典金額による香典袋の違い

香典を入れる香典袋は不祝儀袋とも呼ばれ、中袋の有無や水引のタイプについて、金額に応じて選べるようになっているため、適切な種類を選びましょう。

金額 中袋 水引
5千円以下 なし 印刷
1万円以上 あり 白黒(地域により白黄)
5万円以上 あり 双銀

香典袋は、5千円以下は中袋がない水引が印刷された簡易タイプ、1万円以上は外袋と中袋との二重包みで白黒の水引が結ばれているタイプを選び、5万円以上は双銀の水引とします。

水引の色は地域によって異なり、一般的には白黒ですが、京都の葬儀や関西での法事・法要では白黄を使用するケースが多いため、不明な場合は地域の方や葬儀社へ確認しましょう。

なお、5〜6万円以上は中金封、10万円以上は大金封と、高額の香典の場合は文具店などで販売されている大判サイズの香典袋を使用するのがマナーです。

宗教による香典袋の違い

宗教 表書き 水引 絵柄
仏教(仏式) 御香料・御香奠・御霊前(浄土真宗は御仏前) 白黒・双銀 無地・蓮・雲海
神道(神式) 御神前・御玉串料・御榊料 白黒・双銀 無地
キリスト教 御花料(カトリックは御ミサ料・プロテスタントは献花料も可) なし 無地・白百合・十字架
無宗教 御香典・御香資 白黒・双銀 無地

香典袋は宗教によって、表書きや水引、絵柄に違いがあるため、葬儀へ参列する際は事前に相手の宗教を確認しますが、不明な場合は「御霊前」で構いません。

適切な表書きをと考える場合は、葬儀の準備で忙しい遺族へ確認するよりも、葬儀社へ確認するのがおすすめです。

香典の書き方

香典の書き方

香典の書き方は、香典袋の中袋の有無やあらかじめ印字されている項目に合わせて異なりますが、基本的には次のとおりです。

外袋の書き方

  • ・表書き:水引の上
  • ・名前: 水引の下へフルネーム(社名・所属先はその右側へ小さめに、肩書きは名前の上へ小さく表記)

中袋の書き方

  • ・金額:表面の中央または裏側の右側
  • ・住所:裏面の左側
  • ・名前:裏面の住所の左側の下寄り

中袋がない場合の外袋の書き方

  • ・金額:裏面の水引の下・右側
  • ・住所:裏面の水引の下・左側
  • ・名前:裏面の水引の下・住所の左側の下寄り

夫婦の場合

夫婦の連名で香典を書く場合は、夫は右側にフルネームで記し、妻は左側に苗字を省略して名前だけを記すのが一般的です。

会社の場合

会社として香典を出すときは、名前を中心に合わせて、右上へ社名、名前の上へ小さめの文字で肩書きを書き添えるとバランスよく記入できます。

複数名での名前の書き方

連名の場合は最大3名までとし、格上や年長者の順に右から左へ書き連ねます。4名以上の場合は代表者名を書き、左側に「外一同(他一同)」と書くと良いでしょう。

それぞれの方の肩書きを記す場合は、名前の右上へ小さい文字で書くと体裁よく整って見えます。

団体の場合は部署名など団体名の後ろに「一同」と書くか、団体名・代表者氏名を書き「他一同」とします。どちらの場合も、表書きに書かない方の住所と氏名を別紙に書き、中袋に入れましょう。

金額の書き方

金額 書き方
5千円 金伍仟圓也
1万円 金壱萬圓也
3万円 金参萬圓也
5万円 金伍萬圓也
10万円 金拾萬圓也
漢字
大字

香典の金額は、カタカナとの混同を避けるためや偽造防止のために使用される「大字(だいじ)」で書くのが正式なマナーのため、見本に習って同じように転記しましょう。最後に「也」を付けるのは端数がないという意味を表します。

表書きは薄墨の筆ペン・中袋はボールペンでも可

香典の文字は表書きは薄墨の筆ペンですが、中袋は第三者にも住所や氏名が分かりやすいよう、明瞭に書くことが前提のため、万年筆やボールペンでも構いません。

印刷した短冊や弔事用スタンプを使用しても良い

香典袋の表書きの短冊をパソコンで簡単にPDF作成できるサイトもあるため、文字を書くのが苦手な方は活用しても良いでしょう。

出典:香典表書きメーカー(公式サイト)

また、近年は自分の名前でオーダーできる慶弔スタンプも市販されており、連名や社名・肩書き入りなどでも作成できるため、お忙しい方はあらかじめ準備しておくのもおすすめです。

香典の金額

香典の金額
故人との関係 20代 30代 40代 50代〜
3〜10万円 5~10万円 5〜10万円 5〜10万円以上
祖父母 1〜2万円 1〜5万円 3〜5万円 3〜5万円以上
兄弟・姉妹 3〜5万円 3〜5万円 5万円 5万円
おじ・おば 5千~2万円 1〜3万円 1〜3万円 2~3万円
その他の親戚 5千~1万円 5千円~1万円 5千~2万円 5千~2万円
友人・知人 5千円 5千〜1万円 5千〜1万円 5千〜1万円
近所の方 3~5千円 3千~1万円 3千~1万円 5千~1万円
知人の家族 3~5千円 3千~1万円 3千~1万円 5千~1万円
会社の上司 5千円 5千〜1万円 5千〜1万円 5千〜1万円
会社の同僚 5千円 5千〜1万円 5千〜1万円 5千〜1万円
会社の部下 5千円 5千円 5千〜1万円 5千〜1万円
取引先関係 5千円 5千〜1万円 5千円~1万円 5千~1万円

お香典の金額には相場があり、故人との関係や自分の年齢によって、おおよそ目安がありますが、経済的な理由や立場を踏まえて、必ずしも相場金額どおりにする必要はありません。

ただし、語呂合わせとして、死「4」や、苦しみ「9」を連想させる数の金額は避けるのがマナーとされています。

地域や家系の風習によっては、偶数を避けるべきと考える場合もあるため、気になる場合は葬儀社へ確認すると良いでしょう。

香典のお金の入れ方

香典の入れ方

香典のお金の入れ方はすべてのお札の向きを揃えて、香典袋の表側から見て、お札が裏面、人物の描かれた肖像画が下側になるように封入するのが正しいお札の入れ方です。

中袋があるときにも、中袋がないときにも、最終的に香典袋の表面に対して、お札が裏側、肖像画が下になるようにと覚えておくと良いでしょう。

香典袋の折り方(裏側)

香典袋の裏側

香典袋の口は折り方にマナーがあり、先に下側を上に折り上げ、最後に上側を上に被せて水引の下へ入れるのがマナーです。

挟むタイプの香典袋では、上側を被せてから、間に下側を挟み込んで固定し、上から水引の輪を通すとシワになりにくくスムーズに包めます。

香典の包み方

香典の包み方

お香典を包むタイプの袱紗(ふくさ)の場合は、台紙へ表向きに香典を乗せて慶事とは反対に「右→下→上→左」の順序で包みます。

中袋として和紙や奉書紙を使用してお金を包む際も、包み方は「右→下→上→左」の順番となります。

香典の渡し方

葬儀の受付

香典を渡す際は、受付で「この度はお悔やみ申し上げます」と簡単に挨拶をしてから、香典を相手の向きに正して差し出して小盆の上へ置きます。

また、小盆がなく直接手渡しする場合は、袱紗の上に乗せて相手側から文字が読める向きで差し出すのがマナーです。

大きな規模の葬儀では、親族や会社関係など、受付が複数列に分かれているため、立場に適した列に整列して順番を待ちます。

記帳をと言われたら、芳名帳や芳名カードへ氏名・住所・電話番号、故人との関係などを記入しますが、代理人の場合は依頼主の名前の下に小さく「(代)」と書きましょう。

香典で気をつけるべき4つの注意点

香典で気をつけるべき4つの注意点についてご紹介しますので、マナー違反にならないよう気をつけましょう。

  • ・家族葬では香典辞退をする場合がある
  • ・食事や香典返しの金額を加味した香典を包む
  • ・新札は折り目をつけ汚いお札は使用しない
  • ・香典は渡すときに受付で袱紗から取り出す

家族葬では香典辞退をする場合がある

家族葬などの小さなお葬式では、香典辞退のほか、弔電や供物などの受け取りをお断りするケースがあります

辞退するのには理由があり、後々のお礼の手間を避けたいという考え方もあるため、故人や遺族の意向を重視してあげるのが最良です。

食事や香典返しの金額を加味した香典を包む

葬儀や法事・法要では、食事や香典返しの金額を加味して香典を包むと相手に失礼がないため、儀式へ参列する方は意識するようにしましょう。

葬儀の人数規模やプランによっても異なりますが、一般的に食事は1名につき3,000〜1万円、香典返しは当日返しなら3,000円程度(北海道では1,000〜2,000円が相場)となっています。

新札は折り目をつけ汚いお札は使用しない

香典に新札を使用するのはマナー違反とされています。やむをえず新札を使用する際は、一度折り目をつけて使用しましょう。また、汚れているお金やぐしゃぐしゃによれたお札は使用を避けましょう

なお、5千円を包む際は五千円札を使用するのが最良ですが、急なお通夜などで両替が間に合わない場合などは千円札でも構いません。

香典は渡すときに受付で袱紗から取り出す

香典を持ち歩くときは、袱紗(ふくさ)に包むのがマナーで、ポケットにそのまま入れたり、購入時のビニール袋に入れたりせずにきちんと袱紗を使用しましょう。

袱紗にはさまざまなタイプがありますが、袋状になった金封袱紗なら葬儀に慣れない方でも簡単に香典の取り出しができ、スマートに受付ができます。

香典でよくある質問

よくある質問

香典についてよくある質問をご紹介しますので、気になる項目があればチェックしておきましょう。

葬儀へ参列できない場合は香典をいつどうやって渡すの?

葬儀へ参列できない場合、香典は初七日までを目安に現金書留で喪主の自宅へ郵送するのが基本的なマナーです。

訃報の連絡が届かず葬儀が終わってしまった場合は自宅へ弔問して手渡しても構いませんが、家族葬などでは弔問をお断りしている場合もあるため、事前に遺族へ確認しましょう。

香典辞退している場合の贈り物はどうしたらいい?

香典辞退では遺族の気持ちを尊重するだけで問題なく、代わりに何か贈り物をする必要はありません。

お悔やみの気持ちを形にしたい場合は、返信やお礼は不要ですといった一言を添えて、手紙やハガキやお花などを贈るか、四十九日以降の納骨後にお墓参りをすると良いでしょう。

香典の受付係は誰が担当するの?

受付係は遺族の身内や親しい方が担当するほか、葬儀社の運営スタッフや、葬儀社から依頼を受けた代行会社が行うケースがあります。

明らかに葬儀スタッフや代行会社が受付をしている場合は、「宜しくお願いします」と挨拶をして香典を渡すと良いでしょう。

まとめ:香典は書き方や金額と入れ方から渡し方までマナー違反に注意!

香典のマナー

香典のマナーについて、香典袋の書き方、金額の相場、お金の向きや入れ方、渡し方、気をつけるべき注意点まで解説しましたが、まとめると次のとおりです。

  • ・香典には故人との関係によって金額の相場がある。宗教や金額に合わせた適切な香典袋を選び、外袋は薄墨(北海道では主に墨汁)、中袋は明瞭に分かるペンで氏名・住所・金額などを明記する。
  • ・家族葬などの小さなお葬式では香典辞退をするケースがあることに注意し、その場合は故人や遺族の意向を優先して贈らないようにする。
  • ・香典は食事や香典返しの金額を踏まえて渡すと礼儀正しく、新札の場合は折り目をつけ、汚いお札は避けるようにし、持ち歩くときは袱紗に入れて受付で取り出すようにする。

弘善社は葬儀社として、北海道旭川市・北見市周辺にお住まいの皆さまの葬儀をお手伝いしており、ご不幸に関する最新情報や役立つ知識をお届けしております。

葬儀に関するご質問やご相談などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

関連記事

TOP