こんにちは。終活応援葬儀社の弘善社 太田弘文です。
今回は久しぶりの終活ネタを取り上げてみたいと思います。
遺言についての法改正が、昨年から今年にかけて2つありました。
2つとも「自筆証書遺言」に関する緩和です。
それではまず…「遺言を残した方が良い方」とはどんな方でしょうか?
遺言を残した方が良い方とは?
・子供がいない
・財産が不動産しかない
・相続人の一人に特定の財産を残したい
・相続人以外に財産を残したい
つまり逝去後、揉める要因がある方です。「私も当てはまるわ…」と思った方は要注意ですよ〜。
遺言についてのおさらい
さて、遺言には「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」があります。その二つの違いをまず見ていきましょう。
公正証書遺言
・公証人が法的に正式に作成する。
・トラブルが起こりにくい。(公証人が作成するので形式不備で無効となることが少なく、安全で確実な遺言書と言える)
・家庭裁判所での検認手続きが不要ですぐに使える。(原本が公証人役場に保管)
・証人が二人以上必要。
・作成費用と手間がかかる。
自筆証書遺言
・自筆で書くことができ、手軽に作成できる。(ワープロやコピーしたものは不可)
・無償でできる。
・気が変わった時に新しく書き直ししやすい。
・決められた書き方を間違えると無効になる。
・自分で保管しなければならない。
・故に保管場所に苦慮する。保管場所によっては遺言書が見つからないままのケースも考えられる。
・家庭裁判所での検認手続きが必要で、遺族の手間がかかる。
・遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を全て自署し、印鑑を押したもので追加、削除、変更の方式も定められている。(民法第968条)
それでは本題の法改正について見ていきましょう。
2019年1月の法改正
それでは、2019年1月の法改正の概要を説明します。
ひとことで言うと
「自筆証書遺言における財産目録の方式緩和」です。
これまでの自筆証書遺言は、遺言書の全てを手書きする必要がありました。
しかし今回の改正で、
財産の内容を記す「財産目録」についてはパソコンで作成したり、通帳のコピーでもOKとなりました。(手書きしなくても良い)
これまでは財産が多い場合には、財産目録を手書きで作成するのが大変であったのですが、この法改正で自筆証書遺言を作成しやすくなったのです。
ただし財産目録以外の部分は今まで通り自分で書かなければなりません。
2020年7月の法改正
続いて先日の法改正の概要を説明します。
ひとことで言うと
「自筆証書遺言の保管制度」についてです。
新聞の記事にも掲載されていました。
自筆証書遺言は自宅で保管されるケースがほとんどでした。
自宅で保管するとなると、相続発生後(遺言者逝去後)に遺言書が見つからなかったり破棄されたり紛失したりというリスクがありました。
また、これまでの自筆証書遺言は家庭裁判所で「検認」の手続きが必要だったので、相続の手続きが煩雑で時間がかかるものでした。
このデメリットを解消する目的で改正されたのが、今回の「自筆証書遺言の保管制度」です。
自筆証書遺言を法務局で保管してもらえることになり、破棄や紛失のリスクが無くなりました。
また、法務局で保管してもらう自筆証書遺言については、相続時の検認手続きが不要となり、相続がスムーズに進められます。
※自筆証書遺言の保管先は法務局ですが、公正証書遺言の原本の保管先は公証人役場です。お間違えなさらないように〜
遺言について大事なこと
さて、自筆証書遺言の法改正をざっくり説明させていただきました。
遺言は主に財産のことを書き記すものですが、それだけではないと思うのです。
葬儀のことやお寺さんのこと、家族皆への想い……そうです、
「生前のあなたの意思を残すこと」が大事だと思うのです。
皆さんのご家族に対する大切な想いを残しませんか?
また、当社では行政書士さんや弁護士さんを紹介することができます。
詳しくお知りになりたい方はぜひご相談くださいませ。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。