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危篤とはどんな状態で何日もつ?3つの注意点と家族向け行動マニュアル

病院などから「危篤です」と連絡が入ると、家族や親族など、近親者の立場では驚きで気が動転してしまうと思いますが、症状や余命は人によってそれぞれ異なります。

そこで本記事では、危篤とはどのような意味があり、原因や具体的な症状にはどういったことがあるのか、基礎知識について詳しく解説します。

危篤の際に気をつけるべき注意点や、家族として知っておくべき行動マニュアルについてもご紹介します。

対処の手順やポイント、危篤に関してよくある質問まで掲載していますので、どうぞ参考になさってください。

危篤とは何か?基本概念について解説

危篤とは

危篤とは、どのようなことをいい、何が原因で、どんな症状があるのか、はじめに危篤の基本概念について解説します。

危篤の意味とは?

危篤とは、病気や怪我によって回復の見込みがなく、医師によって死が間近に迫っていると判断された状態のことをいいます。

身体的には、意識レベルの低下、血圧の低下、呼吸の弱まりといった兆候があり、生命維持機能が著しい低下した状態です。

危篤には明確な定義があるわけではなく、医師が患者の全身状態を総合的に判断して、回復の可能性が極めて低いと判断した場合に「危篤」と告げられます。

そのため、危篤と説明されてもすぐに逝去するとは限らず、小康状態になったり、回復したりする可能性もあります。

危篤状態の原因とは?

危篤状態に陥る原因は、主に次のような3つのケースが考えられます。

  • ・既存の病状の悪化:元々患っていた病気が進行して回復の見込みがなくなった場合
  • ・急性の病気:病状が急激に悪化して突然死の危険が訪れる場合
  • ・不慮の事故:交通事故などによる重篤な状態

危篤状態の症状と臨終

危篤状態では、身体的・精神的にさまざまな症状が複合的に見受けられるため、分類して具体的な症状について解説します。

  • ・身体的症状
  • ・精神的症状

危篤状態の身体的症状

危篤状態では、具体的に次のような身体的症状が現れます。

  • ・血圧の低下:血圧が大幅に低下して維持できなくなる
  • ・呼吸の弱まり:呼吸が浅く不規則になったりする
  • ・脈拍数の減少:脈拍数が遅くなる
  • ・血行不良:全身に血液が行き渡りにくくなり、手足が冷たくなる
  • ・体温の低下:体温が異常に低くなる
  • ・皮膚の変色:唇の血色や顔色が悪く、皮膚や爪の先が紫や青白くなることがある
  • ・食事・排泄の困難:食事や水分をほとんど摂れずに排泄の調整が難しくなる
  • ・まぶたの開き:まぶたが自然に開いて角膜が乾燥する

危篤状態の精神的症状

危篤状態では、具体的に次のような精神的症状が現れます。

  • ・意識レベルの低下:意識が混濁していたり、呼びかけへの反応がなかったり鈍い
  • ・錯乱:会話が成り立たずに支離滅裂なことを言うことがある
  • ・せん妄・幻覚:実際にはないものが見えたり聞こえたりする
  • ・感情の不安定さ:不安・恐怖・悲しみ・怒りなどの感情表現

危篤は何日もつ?その見込みと事例

時間・日数

危篤は何日もつのか、回復する可能性はあるのか、気になるその見込みについて解説します。

危篤状態の持続時間

危篤状態における持続時間には個人差があり、一般的には数時間から2〜3日以内ですが、数分から数ヶ月に及ぶ場合など、幅広い傾向があります。

  • ・一般的な目安:数時間から2〜3日以内
  • ・短い場合:数分から数時間
  • ・長い場合:数週間から数ヶ月

危篤状態から何日もつかは、症状や治療の効果、本人自身の年齢や体力・精神力、合併症の有無、介護環境など、さまざまな要素によって異なります。

危篤状態から持ち直す可能性

危篤状態から持ち直し、回復する確率については、医学的な統計データがなく、危篤はそもそも生命の危険が迫っている非常に厳しい状態を指すため、一般的に持ち直す可能性は低いとされています。

しかし、一時的なショック状態や基礎体力がしっかりしている場合など、原因の排除や適切な治療によっては、持ち直す可能性があります。

実際、「今夜が峠です」と言われてから、奇跡的な回復も報告されており、危篤状態から回復するケースなども稀にあるのが実態です。

ただし、一時的に容体が安定する小康状態では、再び危篤状態に陥ることが多いため、決して油断はできず、注意が必要といえるでしょう。

危篤で気をつけるべき3つの注意点

注意点

危篤では、気をつけるべき3つの注意点があるため、あらかじめ確認して、トラブルを防ぎましょう。

  • ・危篤状態の余命は予測が困難なことを理解する
  • ・延命措置や介護の方針を決定する必要がある
  • ・葬儀の事前準備を始める必要がある

危篤状態の余命は予測が困難なことを理解する

危篤状態の余命は予測が困難で、長引いたり、一時的に回復するケースがあることをしっかりと理解しておきましょう。

予断を許さない状態のため、後悔のないように過ごすことが大切な一方で、自分自身の生活リズムの乱れや、心身の健康に注意することが大切です。

延命措置や介護の方針を決定する必要がある

延命措置を行うかどうかなどの治療方針は、本来、本人の意思によって判断されますが、本人の意識がなく確認できない場合は家族が決定しなければなりません

種類 特徴
ターミナルケア 死期が迫っている人への点滴などの終末期医療や看護
看取りケア 死期が迫っている人への食事や排泄などの日常生活の介護
小康状態が続くと、仕事への影響や、看病・介護によるストレスが起こりやすいため、終末期医療を専門にしたターミナルケアや、介護施設または自宅での看取りケアを検討しましょう。

患者が高齢者の場合、介護保険を利用することで金銭的な負担を軽減できるため、地域包括支援センターへ相談するのがおすすめです。

出典:介護保険制度の概要(厚生労働省)

葬儀の事前準備を始める必要がある

危篤の場合、亡くなることを冷静に受け止めて、あらかじめ葬儀の準備をしておくことで、葬儀代を軽減してスムーズな葬儀が執り行いやすくなります。

信頼のできる葬儀社を探し、どのような葬儀形式で、いくらぐらい費用がかかるのか、事前に見積取得して予算を把握しておくのがおすすめです。

危篤における家族向け行動マニュアル

危篤の行動マニュアル

危篤の際に家族がスムーズに措置できるよう、行動マニュアルとして、対処手順やポイントについて解説します。

危篤の連絡がきた場合の対処手順

危篤の連絡がきたらどのように対処するべきか、手順について解説します。

①落ち着いて病院へ急行する

病院から危篤という連絡が入ると慌ててしまうのが一般的ですが、まずは落ち着いて、病院名や病室番号などの詳しい場所を確認してから、速やかに病院へ向かいます

慌てていると集中力が欠如してしまうため、家族と待ち合わせなどをして病院へ向かう場合は、事故やトラブルに注意するよう、声をかけ合いましょう

②家族や本人の血縁者へ早急に連絡する

危篤の際は、家族や本人の血縁者へ早急に連絡します。電話で連絡がつかない場合は、留守番電話への録音やLINEなどのSNSで伝えて、追って連絡をしても良いでしょう。

病院へ駆けつけられない家族や本人の血縁者へは、医師から説明を受けた後に再び連絡をして、把握できた原因や症状について説明します。

③勤務先や学校へ休暇取得の連絡をする

勤務先や学校へは、「父が危篤のため、本日は休暇をいただきます」など、本人との関係性をしっかりと伝えて休暇を取得します。患者本人の勤務先などへの連絡も忘れないようにしましょう。

企業によっても異なりますが、危篤の場合、一般的に忌引き休暇は利用できず、有給休暇となります。気になる場合は、勤務先の就業規則を確認してください。

④医師から説明を聞く

医師から本人の病状や今後の見込みについて、説明をしてもらいます。気になる点があれば、質問をして確認しておくことが大切です。

面会や付き添いのルールなどについても確認をして、家族以外の親族の面会の可否などについてもチェックしておきます。

⑤親族へ危篤であることを伝える

危篤であることを伝える親族は、一般的には3親等以内ですが、従兄弟・従姉妹、伯父・伯母、叔父・叔母や、本人の親しい友人などへ連絡しても問題ありません。

容態や症状を伝え、対面を希望する方へは、病院名・部屋番号・面会時間、病院での面会ルールを正確に伝えましょう。

⑥看取りや葬儀の準備をする

臨終を迎えると、速やかに葬儀社へ連絡をして、ご遺体を自宅や葬儀社の安置施設へ搬送しなければならないため、万一に備えて、最期の看取りや葬儀の事前準備を行います。

種類 人数目安 通夜 葬儀・告別式 火葬 特徴
一般葬 30名以上 香典・焼香のみの会葬者も大勢招く
家族葬 30名未満 家族や親族だけなど少人数の葬儀
一日葬 30名未満 通夜を省略する家族葬
直葬・火葬式 数名 通夜や葬儀を省いて火葬のみ

近年は家族葬が最も人気を集め、葬儀全体の約半数を占めていますが、葬儀には様々な形式があるため、患者や家族の理想の葬儀を行えるよう、よく比較検討することが大切です。

出典:【第6回】お葬式に関する全国調査(いい葬儀)

亡くなった際に誰に訃報連絡をするべきか、本人や家族の関係者を洗い出してリストアップしたり、遺影写真を選定しておきましょう。

危篤の看病・介護の方法

危篤の際に家族ができるのは、次のような内容です。医師や看護師、介護士と連携しながら、患者の立場になって寄り添いましょう

  • ・傍で寄り添って話しかける
  • ・手を握ったり背中を撫でてスキンシップを取る
  • ・体位変換により楽な姿勢を保持する
  • ・おむつの交換や清拭により快適さを与える

危篤時の役立つ言葉と心構え

危篤で意識がないように見えても、患者は話を聞き、内容を理解している場合があるため、優しく声をかけ続けることが大切です。

  • ・安心させる言葉:「そばにいるよ」「安心してね」
  • ・感謝を伝える言葉:「ありがとう」「感謝してるよ」

安易に励ましてプレッシャーを与えるような「頑張って」という言葉は、避けた方が良いと言われています。患者の悪口や葬儀の話なども聞かせないように注意してください。

家族ならではの思い出話や、孫の話、本人の趣味や好きなことなどをはじめ、日々の天気やニュースなどでも構わないため、傍にいることを伝えましょう。

危篤に関してよくある質問

よくある質問

危篤に関して、よくある質問をまとめてご紹介しますので、気になる項目があれば参考になさってください。

亡くなる直前のサインとは?

臨終の際は、「亡くなる直前の5兆候」と呼ばれる次の症状が見受けられます。

  • ・意識混濁(いしきこんだく):意識が薄く、呼びかけへの反応が鈍くなるか、全く反応しない
  • ・死前喘鳴(しぜんぜんめい):喉や気管に分泌物がたまり、ゴロゴロと音がする状態
  • ・下顎呼吸:顎を上げて、息苦しそうに浅く不規則な呼吸を繰り返す状態
  • ・チアノーゼ:血行が悪くなり、手足が紫色や青紫色になる状態
  • ・橈骨(とうこつ)動脈の触知不可:手首の橈骨動脈で脈拍を感知できない、または非常に弱くなる状態
※これらのサインは個人差が大きく、すべてが揃うとは限りません。感じ方も異なるため、気になる変化があればすぐに看護師・医師へ相談してください。  

危篤・重篤・老衰の違いとは?

似たような言葉ですが、危篤・重篤・老衰は異なり、命の危険度の順序で表すと、「危篤⇒重篤⇒老衰」となり、それぞれの状態は次のとおりです。

  • ・危篤:死が差し迫り、回復の見込みがほとんどなく、生命の危機が極めて高い段階。
  • ・重篤:生命に関わる重大な状態だが、危篤ほどではなく、回復の可能性がある状態。
  • ・老衰:長年の加齢によって、身体機能が徐々に低下して、自然な死を迎える過程。

危篤の人のお見舞いでは何を持参したらいい?

親族や患者の友人・知人などが危篤の人のお見舞いに行く際、特に必要な持ち物はなく、手ぶらで構いません。

亡くなる前に早急に患者へ会いに行くことが目的のため、お見舞い金やお見舞いの花や品物などは不要です。

どうしても気になる方は、家族への手土産として、お菓子などを持参するとよいでしょう。

危篤とは命の危険が迫った状態。行動マニュアルを参考に看取りや葬儀に備えましょう

臨終

危篤とは、どのような状態のことをいい、何日もつのか、家族が気をつけるべき注意点や、行動マニュアルについてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。

  • ・危篤とは、病気や怪我により回復の見込みがなく、死が間近に迫っていると医師に判断された状態。余命は、数分から数ヶ月に及ぶケースもあり、何日もつかの判断は困難。
  • ・危篤の原因は、既存の病状の悪化・急性の病気・不慮の事故とがあり、身体的・精神的なさまざまな症状が見受けられる。
  • ・危篤時には、余命の予測が困難であること、延命措置や介護の方針を決定と、葬儀の事前準備を始める必要があることに注意して、行動マニュアルを参考に看取りや葬儀の準備をする。

危篤とは、家族にとっての危機でもあり、大きな不安や看病・介護の疲労から、ストレスが溜まったり、疲弊してしまう方も少なくありません。

弘善社では、葬儀について出張による無料相談を承っております。死後に必要な手続きなどのサポート体制も整っていますので、どうぞお気軽にお問い合せください。

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