終活のこと
【尊厳死宣言公正証書〜終末期医療の希望を残すこと】
こんにちは。
旭川で葬儀社を営んでおります、(株)弘善社の太田弘文です。
当社では、「葬儀」を軸として、皆さんの「終活」の支援を行なっております。
少しずつ、分かりやすく、旭川の葬儀・終活事情について情報発信しております。皆さんのお役に立てれば幸いです。
今朝の北海道新聞で、「尊厳死を公正証書で宣言」という記事がありましたね。
終活を考える上で、終末期医療を考えることももちろん大事です。
自分が病に侵された時、どんな最期を望むのか?
家族はどんな考えなのか?
お医者さんはどう考えてくれるのか….?
尊厳死とともに終末期医療を考えてみました。
○尊厳死と終末期医療を考える
平成以前より、高齢化社会へと社会が移行する中、終末期医療への関心が高まってくると、治療優先主義の医療への批判が出るようになりました。
病気の最終段階にあっては、治療のために患者本人の生活を犠牲にするのではなく、患者の「生命の質」あるいは「生活の質」を尊重した「ケア」が大切だとする「批判」です。
これはさらに「最期の在り方」は医者に決定権があるのではなく、患者である本人に決定権があるべきだとする考えです。
現在は医療情報の本人への開示と、治療方法への同意が重要との認識が社会的に共有されつつありますよね。
同時に「尊厳死」」への関心も高まりを見せています。
さらにこの延長線上に、葬儀や終活への関心の高まりがあり、葬儀やお墓など終活全般に本人の意向を尊重すべきという考えが広まりつつあると思うのです。
葬儀やお墓のこと同様、終末期医療の希望を書面で残しておくことにより、本人の希望が尊重される可能性が高いと言えるでしょう。
ただ、主治医や家族との話し合いや、定期的な見直しが必要です。(治療方針も家族の考え方も、病状の変化により変わることがあるためです)
○公正証書とは?
ここで「公正証書」についてご説明しますね。
公正証書とは、法律の専門家でる公証人が、公証人法、民法などの法律に従って作成する公文書です。公正証書には、遺言公正証書、任意後見契約公正証書、金銭の貸借に関する契約や土地・建物などの賃貸借に関する公正証書、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払いに関する公正証書などがあります。
ちなみに、旭川市の公証人役場は、6条通8丁目37−22 TR68ビル5階に「旭川公証人合同役場」があります。
○尊厳死宣言公正証書とは?
「尊厳死宣言公正証書」とは、「本人が自らの考えで尊厳死を望み、延命措置を差し控え、中止してもらいたいという考えであることを公証人の面前で宣言し、公証人がこの事実を公正証書として記録するもの」です。
ただ、治療にあたる医師の立場としては回復の可能性がゼロかどうか分からない患者の治療をやめてしまうのは、医師としての倫理に反すること、どのような形であれ現に生命を保っている患者に対し、死に直結する措置をとる行為は殺人罪に問われる恐れがあることなどから、尊厳死宣言公正証書を作成したからといって、必ず尊厳死が実現できるとは限りません。
参考までに、日本尊厳死協会のアンケート結果によれば、「尊厳死の宣言書」を示した場合における、医師の尊厳死許容率は、95.8%に達するということです。
尊厳死に限らず、自分の意思を遺すことは大事なことですよね。
今回は公正証書という形で残すことをお伝えしましたが、エンディングノートでも日記でも何でもよいのです。
自分の意思を残しましょうね。